浅草・酉の市・人模様

我家のすぐ近くに鷲神社があったので、子供の頃から友達と酉の市にはよく行った。
我々は「おとりさま」と呼んで小屋掛けの熊手を見るわけでもなく、専ら遊び場と
していた。
その頃は11月に入ると急に冷え込み、「おとりさま」になると冬が来たなと感じたものだ。
酉の市が来ると必ず思い出す小説が私にはある。
今の若い人に馴染みはないだろうが、浅草生まれの久保田万太郎、大阪で生まれ、後に浅草に住んだ
武田麟太郎、共に名作を残した二人の小説家のことだ。
万太郎は多くの劇作と良き江戸・明治の名残りを送り出し、麟太郎はプロレタリヤ文学者として、庶民の
哀歓を残した。
この正反対に生きてきたような二人に、酉の市を共通の舞台とした作品がある。
「三の酉」と「一の酉」である。
同じ舞台のなかでこれほど違う物語を描いたことに、若かった私は強く感銘をうけ、それ以来、一枚の写真のなかに複数の視点を入れたいと思ってきた。
東京には新宿や目黒にも酉の市はあるが、やっぱり私には浅草の酉の市しかない。
今年は三の酉まである。
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by photofujii | 2013-11-15 16:18 | Comments(4)
Commented by 渡邊リカルド at 2013-11-16 14:49 x
色々と思い出させる光景です。浅草には親父のスタジオがあったので、子供の頃はよくあそんでいました。国際劇場と六区の写真があったら見せてください。
Commented by photofujii at 2013-11-17 17:33
リカルド君ありがとう!国際劇場、六区は何時も行くのに何故か撮っていません。馴染みすぎているのかな??
Commented by 二俣川のカメラ好き at 2013-11-20 08:23 x
酉の市の文学作品、是非読んでみたいと思います。
そうして、酉の市にも行かなくては!下町のイベントはとてもモノクロが似合う風景ですね。
Commented by 渡邊リカルド at 2013-11-21 12:37 x
この頃毎日スタジオに入って撮影しています。来春の商品写真です。最近、この年齢になって、だんだん写真好きになった感じがしています。
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